海外引越しを、トラブルなくすすめるために
国内で引越しをする場合でも、お客様と業者との間でさまざまなトラブルが起こっています。 輸送期間の長さや積み降ろしの手間などが国内に比べて大きな海外引越しでは、なおのことトラブル回避のために配慮が必要です。 こちらでは、「失敗しない業者の見分け方と選び方」「見積もりトラブルを防ぐポイント」「見落としがちな検疫の落とし穴」についてご紹介します。
失敗しない業者の見分け方と選び方
国土交通省から適切な許認可を得ている
引越し業者は、国土交通省から適切な許認可を取得しているところと、そうでないところがあります。許認可を得ていないところには、 業務用の認可がない「白ナンバー」のトラックで荷物を取りに来る業者、不法入国の外国人を使って作業をさせている業者などもあるそうです。 許認可を得ていない業者のほうが安くできるケースが多いようですが、トラブルを避けたいなら実績のある認可業者を選ぶようにしましょう。
- 【海外引越許認可の有無について】
- 引越し業者の中でも、海外引越しを主たる業務とするには、国土交通省から「外航運送に係る第二種貨物利用運送事業」の許認可を得ていなければなりません。 国土交通省が設けているこの許認可制度は、荷主の保護と悪徳業者の排除を目的としています。
- 海外引越しは、「国内での荷物の梱包引取トラック輸送」→「船便などの外航利用」→「船が現地港に到着した後」→「輸入通関」→「家までの配達」の流れで成り立っており、 各段階で十分な輸送ノウハウが必要となります。国土交通省では、それらの十分なノウハウを持ち、信頼に足るサービスができる業者であるかどうかを見極めて許可を出しています。
- この「外航運送に係る第二種貨物利用運送事業」の許認可を得ている業者は、 つまり国から安心して仕事を任せられる業者であると認められているということ。この許認可があるかないかは、 引越し業者を選定する上での重要な判断基準のひとつとなります。
海外引越しの実績が豊富にある
引っ越し業者の選び方で重要になるのが実績ですが、それは海外引越しでも同じです。海外引越しは、国内引越しに比べればニーズが多くありません。 そのため、対応件数(経験)が業者の質(対応力・サービス力)に直結するのです。海外引越しでは、たくさんの引越しに対応してきた実績のある業者に相談しましょう。 お打ち合わせなどの際に、個別の引越し事例の注意点についてくわしく聞いてみるのもおすすめです。
「大規模」より「小規模」のほうがメリットは多い
大手引越し業者は、大手ゆえの安心感があります。しかし、多くの部署が横断的にお客様と接することになり、 例えば下見をする現場作業員と見積もりを出すスタッフが違ったり、業務や手配を別の専門部署が行っていたり、 渡航後のアフターケアはまた別の部門が担当したりと、複数の部署やスタッ担当が一人のお客様と接することになるので、情報が行き違うこと、 対応に時間がかかること、またお客様の手間が増えることも少なくありません。
比較的規模が小さい海外引越し会社であれば、下見からお見積もり、手配業務、海外でのアフターケアまでの一連の作業を、 基本的には一人が責任を持って管理するので、話がつながりやすく、迅速できめ細かい対応が期待できるというメリットがあります。
日本語サービスがある
大きな会社は、海外での日本語サービスに力を入れているところが多くありますが、小さな会社ではコスト増につながるという理由で日本語の サービスデスクを置かないケースがあります。日本人が海外へ移住する場合には、日本語サービスがあるほうが安心できるというお客様が圧倒的に多いのではないでしょうか。 現地での輸入通関やご自宅までの配送の際に何かあっても、言葉が通じるスタッフがいれば気軽に連絡できます。
問い合わせや依頼へのレスポンスが速い
こちらが問い合わせた内容に迅速に答えてくれるかどうかは、「サービス力」という面で軽視できない要素です。 海外引越しでは迅速かつ正確な情報提供が求められるため、お客様の知りたいことを教えてくれる業者、かゆいところに素早く手を差し伸べてくれる業者は信頼できます。 いくら丁寧でも、情報提供が遅かったり正確でなかったりすると、信頼できないものです。
契約までの電話やメールでのやり取りの中で、レスポンスの速さや正確さ、そして説明の丁寧さがどうかをご自身の目や耳でしっかり確認しましょう。
見積もりトラブルを防ぐポイント
「下見段階の見積もりでは荷物の容積4立方メートルあたりの価格を提示されたのに、 作業後1週間ほどで届いた請求書を見たら、8立方メートルあたりの価格になっていた」 こういったトラブルが実際にあります。もし作業当日に容積のことがわかっていたら、荷物を減らして価格を下げることもできたのに、 当日は容積について作業員から説明が一言もなかったため、請求書が来てから初めて気がついた――というケースです。
作業前に自分の目で確認しましょう
見積もりと実際の請求内容が違う……というトラブルを防ぐためには、作業を始める段階で下見容積と実容積に差が出ないかどうか、 その場で確認することが必要です。また、梱包が終わった段階での最終容積は、トラックに積み込む段階で目視できます 。必ず積み込まれた内容を自分で確かめ、下見段階での容積と違いがないかをチェックしましょう。
船荷証券のコピー提出を求めましょう
海外引越し会社の事後の容積報告を疑問に思った時は、あえて船荷証券のコピーを提出するように求めましょう。 船荷証券は公の書類として容積が記載されているので、これを見れば容積の真実がわかります。船荷証券のコピー提出に応じてくれない会社は、 疑義があるために応じてくれないことも考えられ、信用ならない会社ということになります。
見落としがちな検疫の落とし穴
検疫検査とは、海外から持ち込まれた、もしくは海外へ持ち出す動物や植物、食品などが、有害な病原体や有害物質などに汚染されていないかどうかをチェックするための検査です。 特に、オーストラリアとニュージーランドは検疫検査(特に病原体を持ちこみやすい昆虫類の検査)が厳しいことで知られています。この2つの国に荷物を送るときは、検疫検査についての十分な理解が必要です。
1.木材の中にいる虫
生木の中に虫が入っていることが多いため、木材は入念にチェックされます。木製の輸入家具であれば、その家具の足元部分を注意して見ます。 もし足元部分に「ピンホール」が発見されれば、その家具の中には虫が巣くっていると判断され、薫蒸手続きを進める必要が出てきます。薫蒸して虫を燻り出すためです。 土が付いているものはきれいに洗浄する必要があります。
オーストラリアでは検疫検査は有償であり、薫蒸処理、洗浄処理が別途必要になった場合、検疫検査料金とは別に追加料金が取られます。 また、生木を持ち込むことはできませんが、特にオーストラリアとニュージーランドへの引越しでは外装ケースに木箱梱包を使うこともできません。 他の多の国でも、木箱の使用は廃止されつつあります。
2.植物の中にいる虫
植物の中にいる虫すべてが駆除の対象になるため、オーストラリアとニュージーランドでは、野菜や果物など生の食材は原則持ち込めません。 また、自分で用意する梱包用の段ボール箱で、野菜や果物などが入っていた箱をリサイクルして使うことも厳禁。箱の中に入れたものはすべて洗浄対象になってしまいます。
会社によっては食品の持ち込みを手配してくれる会社もありますが、持ち込みにより追加食品検査があった場合には追加の検査費用が必要となり、 さらに、食品は新品であるため課税されます。
また、事前申告で明細リストに記載しなければなりませんが、リストがない場合には「虚偽の密輸」となり、高額なペナルティが科されます。 さらに、もし持ち込めたとしても、食品検疫検査配達を経なければならないため、配達のタイミングは1週間ほど遅れます。食品はできるだけ持ち込まないことをおすすめします。
3.土の中にいる虫
意外なところでは、クリスマスツリーの飾りに使う銀色のスプレーで塗られたマツボックリも検疫検査の対象になります。当人はプラスチック製だと思い込んでいたが、 実は本物のマツボックリだったということがオーストラリアで実際にありました。そのような場合には薫蒸費用として250オーストラリアドル(約24,000円)ほど、 廃棄する場合でも75オーストラリアドル(約7,000円)ほどの費用を請求されてしまいます。
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